2026.10.01
音楽院日記みなさま、こんにちは。
10月の音楽院日記を担当いたします、オーボエ講師の河口紋子です。
10月になり、いよいよ秋本番の季節ですね。
芸術の秋、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋…
みなさまは、どんな「秋」を思い浮かべますか?
秋といえば、私は毎年の紅葉も楽しみにしているものの一つです。
木によって葉の色づき方も違えば、日を追うごとにグラデーションが変化していく山々の景色。
「白って200色あんねん」とタレントのアンミカさんが語った有名なフレーズがありますが、
紅葉も、オレンジ、赤、黄、茶色……と、一つひとつの色の中にも本当にさまざまな色合いがありますね。
その年の夏の気候によっても、色づき方が変わるそうですよ。
今年の紅葉は、どんな景色を見せてくれるのでしょうね…♪
さて、みなさんが演奏する際、
楽譜の中で必ずと言っていいほど目にする強弱記号、「f(フォルテ)」。
日本語では「強く」「大きく」と表現されることが多いと思いますが、
この「f」も、出す音は一種類だけではありません。
「どのように強いのか」
「どのように大きいのか」
考えたことはあるでしょうか?
色が無限にあるように、「f」にもさまざまな種類の音があるように思います。
私自身、その「音の引き出し」がぐっと増えたと実感したのは、
学生時代、プロオーケストラの演奏会へ頻繁に足を運び、
たくさんの生演奏を聴くようになってからでした。
例えば、ソロ曲の中に出てくる「f」ひとつをとっても、
・金管楽器のファンファーレのような音
・全員がトゥッティで演奏しているような、幅の広い音
・ただ強いのではなく、歌い込むような音
・コントラバスの低音のような、重厚な音
・弦楽器のボウイングにすると、スピード感はこんな感じ
・ヴィブラートの速さは? アタックはどんな感じなのか?
など、、
私の演奏する楽器はオーボエですが、
自分の出す音の中にも、別の楽器の音や奏法のイメージが生まれてきました。
ステレオの音量ボタンを、ただ大きくしたり小さくしたりするような
「数値」や「物理的な強弱」だけではなく、
もっと立体的で、さまざまな種類の「f」がある。
そう気づいてからは、楽譜に「f」が出てきたとき、
「この部分の『f』は、どんな『f』だろう?」
「ここはこういう音だけれど、次に出てくる『f』はどんな種類の音?」
と、色んなイメージで考えることが出来るようになりました。
今回は「f」を例にしましたが、
これはほかの強弱記号やアーティキュレーション記号、速度記号、表現記号、
そしてフレーズやメロディのキャラクターなどにも、同じことが言えると思います。
ぜひ演奏する際や楽譜を見た際に考えてみると、
より音楽的で、表情豊かな演奏につながっていくのではないでしょうか。
そして、いろいろな表現の引き出しを増やすためにも、
自分が演奏する楽器のものだけでなく、
さまざまな楽器の生演奏を聴きに行ってみるのもおすすめです!
それでは、みなさま、素敵な秋をお過ごしください♪